南極海の衝突は、日本とオーストラリア、そしてニュージーランドの間に、緊張関係を作り出しています。
鯨を「大量虐殺」するオーナーの日本と、反捕鯨国のオーストラリア、ニュージーランドのオセアニアの間に、楔を入れ、自らの存在感を高めるー。
これこそが、稀代の戦略家、ポール・ワトソン船長の作戦なのです。実力行使による結果、団体の影響力が高まれば、PR効果も絶大だし、日本をダシにして製作するドキュメンタリーDVDの売り上げも増えます。
危険な妨害活動を行い、シー・シェパード側に被害が出れば、すべて責任を日本側におしつける。南極海は、第三者が容易に近づけない海です。ですから、衝突が起こっても、当事者以外誰も、事実関係を検証できない。
ですから、当事者の主張にうそや、誇大妄想的な発言があっても、「言ったもん勝ち」という事情があります。

(財)日本鯨類研究所提供 2年前の写真 ワトソン船長はパフォーマンスを行って、この後、日本側の海上保安官から銃で狙撃されたと主張。しかし、胸のバッジに弾があたり助かったと言っています。
オーストラリア、ニュージーランドでは、反捕鯨の立場から、自ら生命の危険を顧みず、捕鯨中止のためのからだをはっているシー・シェパードのメンバーを一部で、英雄視しています。
http://media.nzherald.co.nz/webcontent/image/jpg/sea_shepherd.jpg
この写真は、ニュージーランドの有力紙で掲載された写真です。写真のポーズをみると、現地で彼らがどのように捉えられているかわかるでしょう。
脱線しましたが、ポール・ワトソン船長は、日本の捕鯨をやめさせるために行動に出るプレーヤー、そして、応援団やスポンサーを増やそうとしています。
だから、誇張表現で狼のようにほえまくり、日本を挑発し、反捕鯨国の国民にも、「もっと怒れ」と煽り立てるのです。
今回も、一方的に主張しています。そして、検証もせず、現地のメディアはワトソン船長の言葉に信を置き、そのまま掲載しています。
「第二昭南丸は急激にターンしてきて、猛スピードでやってきた。クルーがいるアディ・ギル号のコックピットをねらったんだ。幸運なことに、クルーたちは船尾にいた」
「彼らは、アディ・ギル号を沈めようとした。われわれは救難信号をだしたんだ。でも、日本側はそれを拒否した。ヒットアンドランだったんだよ」
まゆつばてきな発言です。なぜ、「日本の保安官に銃で狙撃された」などと虚言を弄するワトソン船長の言動を信用するのか? 理解に苦しみます。
まず、日本側が公表した写真や動画を見てみても、日本側がコックピットを狙って、衝突し、船を沈めようとしたことはありえない。そして、アディ・ギル号のクルーが第三の抗議船、ボブ・ボーカー号に救出されるときも、日本船はその様子をすぐそばで見守っており、ヒットアンドランなどはしていない。
http://news.yahoo.com/nphotos/slideshow/photo//100107/ids_photos_wl/r2365275750.jpg/
さらに、ワトソン船長はこのようにも述べています。
「日本はしたいように、したい場所でなんでもするんだ。彼らは、国際法を犯して、くじらを殺している。もし、仮に彼らが私たちを傷つけたり、殺害したりしても、日本政府はそれを正当化し、船員たちの行動を守るだろう」
そして、オーストラリア政府に、捕鯨船の航行をストップさせるために、海軍を出動せよ、と要求しているのです。
では、実際、この出来事について、オーストラリア国民がどう思っているのか?
豪紙オーストラリアンが公式ウェブで、緊急アンケート調査を行っています。
【アンケートはページの中段左にあります】
What do you think is to blame for the collision between a japanese whaling ship and Sea Shepherd protest boat ?
1 Whalers
2 Protesters
現地発の報道をみれば、オーストラリア国民は、シー・シェパードに肩入れする人がほとんどだとおもうかもしれませんが、この調査では、まったく逆の結果が出ています。
1月8日正午現在で、投票総数5556
1 47.98% (投票数2666)
2 52.02% (投票数2890)
つまり、シー・シェパードのほうが悪いと答えている人のほうが多いのです。
ラッド政権は、野党や環境保護団体から突き上げをくらい、侃々諤々の論争が起きているようです。まさしく、ワトソン船長の作戦通り、ことが運んでいると言えましょう。
ワトソンはまた、次の作戦を練ってくるはずです。


by 8000hr
【ワトソン逮捕:続報②】16…