2008南極海の攻防は、ついに第2ラウンドから第3ラウンドへと進みました。
日本の捕鯨船に活動家2人を乗り込ませた環境保護団体シーシェパードはいったん、燃料切れのため、南極海の調査捕鯨エリアから離脱し、オーストラリアのメルボルン港へ帰港しました。
私はこれを第1ラウンドと名づけますが、本来なら、2008南極海の攻防は、第1ラウンドも第2ラウンドもなく、これで幕を閉じるはずでした。
しかし、その後、今度は、ケビン・ラッド政権のオーストラリア、ヘレン・クラーク政権のニュージーランドというオセアニアの反捕鯨国が、日本の調査捕鯨船団に対して、アクションをおこしてきたのです。
これが第2ラウンドの始まりでした。
オーストラリアは、税関の巡視船「オーシャニック・バイキング号」が、日本の調査捕鯨船団にぴったりとはりつき、グリーンピースの戦略でもあった捕鯨のプロセスの写真を撮影し、全世界に公開したのです。

この写真は、日本のメディアでは取り上げているところはおそらくないと思いますが、反捕鯨国以外の国にも多く掲載され、海の動物を愛する人たちがショックを起こし、日本に対する批判を強める結果になっています。
そして、ニュージーランドは、定期パトロール中の空軍が、ニュージーランドが受け持つ救助捜索担当区域で、日本の調査捕鯨船団が活動しているのを発見したら、上空から写真をとり、その写真も全世界に公表すると、ヘレン・クラーク首相は表明しました。

ニュージーランドの捜索救助担当区域(Matitime New Zewland web site)
そして、今度は第3ラウンドです。
メルボルン港に停泊していたシーシェパードの抗議船「スティーブ・アーウィン号」が補給を追え、ついに、南極海に向け、14日に再出発したのです。
ポール・ワトソン船長は公式HPでこのようにコメントを残しています。
“A special thank-you to Australia,” said Captain Paul Watson. “You helped to send the Steve Irwin back to sea as a Valentine’s Day gift to the whales.”
「オーストラリアには特別に感謝をしている。あなたがたのおかげで、スティーブ・アーウィン号は海に再び、送り出されることになった。これは、クジラたちへのセントバレンタインデーの贈り物だよ」
そして、ポール・ワトソン船長は、第1ラウンドと同様、日本の調査捕鯨船団の妨害行為を行うことを宣言しています。
2回目の出港は2つのことを意味します。
まず、短期間のうちに、南極海の攻防をメディアを通して知った全世界の反捕鯨賛同者からシーシェパードへの相当な寄付金が集まったこと。
特に燃料費は相当な額になると思われます。この燃料補給については、オーストラリアのメルボルン港の港湾関係者がかなりのレベルでバックアップしていることも推察されます。
ポールワトソン船長は、1回目の抗議活動の際は、2億円以上かかったと明らかにしています。
寄付金は、おそらくこの額に近いものと思われます。
次に、日本の調査捕鯨船への乗り込み事件で、調査していたオーストラリア連邦警察は、結局、立件をあきらめ、乗り込んだ活動家のこれ以上の尋問や、拘束さえも放棄したこと。
もし、本気で立件するのなら、通常、責任者であるポールワトソン船長が航海に出ることとを許さないはずです。
そして、公式HPには以下の文章も掲載されています。
The 32 crew, 8 women and 24 men returning to the Southern Oceans represent 10 different nationalities. In addition to 15 Australians, crewmembers have joined from New Zealand, Canada, the U.S.A., Sweden, South Africa, the Netherlands, the U.K. Spain, and Japan.
武闘派環境保護団体といわれ、海賊が行う攻撃をもすることになんのためらいもないシーシェパードの船に、今度は、日本人が乗船しているようです。
シーシェパードはこの事実について、情報を一言だけにして、さらりと受け流していますが、これは大きな出来事だと思います。
シーシェパードは第1ラウンドのおわりに、公式HPを通じて、ボランティアを募集していましたので、そのメッセージをみた日本人が参加したことは間違いなさそうです。
オーストラリアに住む日本人かもしれません。
そして、第1ラウンドで、調査船に乗り込んだ英国人のジーヌ・レーンとオーストラリア人のベンジャミン・ポッツも再び、参加している可能性があります。
広い南極海で、再び、日本の調査捕鯨船団を発見するのは至難の業だと思われがちですが、これには、オーシャニックバイキング号を派遣しているオーストラリア、もしくは、空軍機をパトロールさせているニュージーランドの後方支援がありますから、容易に居場所がわかるかもしれません。
日本の調査捕鯨船団の乗組員は、決して「戦闘」などときな臭い言葉から想像されるような意識ももたず、ただ平和的に調査活動をしているだけです。
海の男たちの無事を心から、祈っています。
http://sasakima.iza.ne.jp/blog/trackback/483890
2008/02/16 04:57
おはようございます。
回転スシ店でのマグロの解体ショーも残酷と批難するのでしょうか。私自身は、見世物としての解体「ショー」そのものには、抵抗感はあります。
しかし、畜産業者の流れ作業での屠殺現場をネットで流したら、気持ち良いと感じるひとばかりではないと思います。
ヨーロッパでも、飼育している牛とかを食料にしますが、自家で飼育した生き物を食料にするのには抵抗感はあるようです。アンデスの原住民もアルパカを飼育していて、それを家族のために、たんぱく源にします。子供たちはそれに抵抗感を持つこともあるとTVで放送していました。親は子供に処理方法を伝授します。いかに、苦しませないで、処置するかが肝要だといっていました。
日本国でも、家庭で魚をさばけないひとが多くなってきています。スシは大好きですが、お頭付きの魚料理にギョットする米国人は多いそうです。文化の違いなのでしょう。
大陸中国では、フランス人かそれ以上に食への探究心がありますから、生きた鶏とかを買って行って自家で処理します。
日本でも農家では、鶏を自家で処理するのは、通常のことでした。いまは、農家でも自家ではしないと思います。たまごを生産する養鶏業者と鶏の処理場とはセットになっています。そのことを知っている日本人は少ないと思います。
かように、ひとがいきていくのには、タンパク源は必要であって、何を食するかは文化の問題だと思っています。どのように、タンパク源を獲得・確保しているかを知る必要はあります。残酷とみなすかどうかは、これも、文化でしょう。
2008/02/18 01:24
To the-prayerさん
ありがとうございます。the-prayerさんのような至極まっとうなご意見をうかがい、私はほっとしています。
私達は、文明の力に頼りすぎ、大きなものを失ってしまいます。ビニールハウスの中で育った、そうした過保護的な感覚が、またいっそうの反捕鯨の気持ちを駆り立てるのでしょう。
私達の先祖は、くじらに感謝して、鯨肉を栄養源として摂取し、家を養い、文化を育み、子孫をつないできたのです。
だからこそ、畏敬の念を抱いたのです。自然に対して謙虚でいれたのです。
クジラを食べる文化は、私達のDNAにもきっちりと刻まれています。
今回の騒動が、捕鯨や反捕鯨といった軸にとらわれることなく、食文化や環境への考察を刺激するきっかけになればと私は願っています。
2008/02/21 22:09
別冊正論、読ませて戴きました。
やはり一筋縄ではいかない相手との思いです。
尚、既にご存知でしたら恐縮ですが米国のアウトドア用品メーカー
「パタゴニア」がシーシェパードのHP(英文)にスポンサーとして
掲載され、防寒服を提供している、となっています。
既にネットではかなり話題になっており、検索でかなりの情報は入手
可能ですが、パタゴニア日本支社のHPにもスポンサーで有る事を
認めた上で今後も支援を続けると表明しています。
恐らく本国の米国では反捕鯨が宣伝になるとは思われますが、日本支社
には相当の抗議が来ている模様です。
個人的にはこのような「テロ支援企業」が結果として日本から撤退等
あれば感情的反捕鯨に対しての日本人に一つの意思表示にはなると
思います。
宜しければ、記事にされる等のご検討をお願いします。
2008/02/22 01:01
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